【読書マニアがレビュー/評価】『ザ・ブレット・イン・マイ・ライフ』瞬那浩人の感想
引用:Amazon商品ページ
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元々は読書大嫌い
本のレビュー・評価・感想を投稿しています。
○ハードボイルド、ファンタジーが好きな人
○考察が好きな人
・
今回は瞬那浩人さんの『ザ・ブレット・イン・マイ・ライフ』を読んで行こうと思います。
表紙から、ハードボイルドが漂う本作。
表紙に描かれている可愛い猫ちゃんも気になりますね!
それでは早速読んでいこうと思います。
【あらすじ】
ビートルズを愛する嘗てのエリートは日雇い土工になっていた。何が彼をうらぶらせたのか? 執拗にヤクザから追われる訳は何か? 冒頭で穴掘りに対する男の忌避感が意味ありげに語られ、現在のシーンと回想のシーンが交差し、謎が謎を呼ぶ展開に。
そんな中、言葉を話す不思議な猫が登場! このようなキャラクターは童話やファンタジーでは見かけることもあるが、ハードボイルドでは類を見ない設定だ。猫は何のために現れたのか? ヤクザから逃げてきた女との逃避行の果てに彼が辿り着いたのは?
物語はオールディーズの名曲と共に進み、衝撃のラストシーンで、全ての謎が解き明かされる。ビートルズ現役時代を知る最後の世代、瞬那浩人、渾身のピカレスクロマン!
引用:Amazon商品ページ
【私的満足度】
読みやすさ ★★★★★
表 現 度 ★★★★★
おもしろ度 ★★★★★
総合満足度 ★★★★★
【感想】
個人的には環境描写がとても好きでした。
考察が捗るストーリーで読む手が止まりませんでした。
気がついたら、読み終わっていました……
それでは私が感じたことを少し書いていこうと思います。
① 臨場感がある環境描写
本作は、主人公が炭鉱で働いているところから始まります。
ところで、皆さんは炭鉱に行ったこと、ありますか?
ちなみに私は行ったことありません笑
行ったことがない人も多いのではないでしょうか?
炭鉱については、映画等で見たことがある程度で、あまり詳しくはありません。
なんとなくのイメージしか、持ち合わせておりませんでした。
正直、読み始めた時はしっかりイメージしながら読めるかな?と不安でした。
そんな悩みは本作を読み進めていくうちに消え去りました!
めちゃくちゃ詳細に環境が描写されていましたので、まるで炭坑の中にいる感覚に陥りました。
環境描写を描く際に視覚だけではなく、聴覚、触覚など五感を駆使した描写方法が使われていたので、読者の想像を掻き立てることができていたんだと思います。
小説って言葉だけで環境等を想像しなければならないため、人によっては想像が難しいと感じる方もいると思います。
もしかしたら、想像に苦手意識を持ってしまい、小説が嫌いになってしまった人もいるかも知れません。
そんな小説が苦手な人に、本作をぜひ読んでいただきたいです。
頭の中に、主人公を取り巻く環境が鮮明に描写されること間違いなしです!
② 物語を彩る”音楽”
本作には、他の作品にはない要素が含まれておりました。
それは”音楽”です。
物語と音楽がどのように関係があるの?
と思った方もいると思います。
そう思った方にこそ、本作を読んでほしい!
音楽って、いろんなシチュエーションを演出してくれますよね。
登場人物の喜怒哀楽を私たちの心に届けてくれます。
ドラマとかでもよく使用される演出方法です。
まさか、それが小説にも応用できるなんて……
皆さんは小説の中に、音楽が登場する作品を読んだことがありますか?
私は少しだけ読んだことがありますが、本作ほど印象に残った作品はありませんでした。
では、本作にはどんな音楽が登場するのでしょうか?
ズバリ!世界的にとても有名なバンドであるビートルズです。
他のアーティストの音楽も登場しますが、主にビートルズが登場します。
私自身、ビートルズの曲は「レット・イット・ビー」くらいしか知りませんでした。
(ちなみに、「レット・イット・ビー」はドライブの時に流すくらいお気に入りです笑)
もしかすると、ビートルズに詳しくない方もいると思います。
ビートルズに詳しくなくても、本作を楽しめますのでご安心くださいね!
むしろ、本作に登場する作品がどのような音楽なのか、検索したくなります。
私は結構、検索してしまいました笑。
個人的には検索することをめちゃくちゃおすすめします。
物語の雰囲気とマッチングして、より物語を深く感じられますよ。
小説✖️音楽という斬新な表現技法。
とても斬新で新たな刺激を得られました。
読書がマンネリ化している人にも、おすすめしたいと思います。
③ 考察が捗るストーリーと結末
結論から言いますと、本作は考察がめちゃくちゃ捗ります!
考察好きな方やミステリーが好きな方にも、おすすめしたいです。
設定がリアルな本作ですが、一部ファンタジー要素が含まれておりました。
本作には”人の言葉を話す猫”が登場します。
人の言葉を話す猫は現実には存在しないですよね(たぶん)。
そんな不思議な存在が本作にどのような影響を及ぼすのか?
なぜ、猫が人の言葉を話すのか?
読んでいくうちに、謎が謎を生んでいきました。
個人的には、考察ができる作品はとても好きです。
瞬那さんはミステリー小説も出版されているだけあって、伏線を配置&回収がとても上手でした。
伏線回収はミステリーだけのものではないんだなと、再確認させていただきました。
結末にも、ぜひ注目してほしいです。
皆さんはこの結末をどのように捉えるのか?個人的にはとても興味があります。
個人的にはいい意味でモヤモヤしたり、結末の考察が止まりませんでした。
では、一体どのような結末が待ち受けているのか!?
それは、実際に本作を読んで確かめて見てくださいね!
【まとめ】
今回は瞬那浩人さんの『ザ・ブレット・イン・マイ・ライフ』を読んでみました。
唯一無二の設定である”小説✖️音楽”が特徴の本作。
詳細な環境描写、考察が捗る物語など、たくさんの魅力が詰め込まれておりました。
ハードボイルド作品が好きな人にはもちろんのこと、ファンタジーやミステリー好きの方にもおすすめしたい1冊です。
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瞬那浩人さんの他の作品
・『残された命の証し』
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・『星の王子さま』 サン=テグジュペリ、浅岡 夢二
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