【読書マニアがレビュー/評価】『一橋桐子(76)の犯罪日記』原田ひ香の感想
引用:Amazon商品ページ
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○ハートフルな作品が好きな人
○生きることを考えたい人
今回は、原田ひ香さんの『一橋桐子(76)の犯罪日記』を読んでいこうと思います。
物騒なタイトルな割に、平和な表紙・・・
全く、物語が予想できません!
物語の内容が気になる!
ということで、早速読んでいこうと思います。
目次
【あらすじ】
老親の面倒を見てきてた桐子は、気づけばたったひとり、76歳になっていた。
両親をおくり、わずかな年金と清掃のパートで細々と暮らしているが、貯金はない。
同居していた親友のトモは病気で先に逝ってしまった。
唯一の家族であり親友だったのに……。
このままだと孤独死して人に迷惑をかけてしまう。
絶望を抱えながら過ごしていたある日、テレビで驚きの映像が目に入る。
収容された高齢受刑者が、刑務所で介護されている姿を。
これだ! 光明を見出した桐子は、「長く刑務所に入っていられる犯罪」を模索し始める。
引用:Amazon商品ページ
【私的満足度】
読みやすさ ★★★★★
表 現 度 ★★★★★
おもしろ度 ★★★★★
総合満足度 ★★★★★
【感想】
物騒な話かと思いきや、そんなことはありませんでした!
とても、ハートフルな作品となっていました。
それでは、私が感じたことを少し書いていこうと思います。
① 主人公は高齢女性
主人公は、高齢女性の一橋桐子さん76歳です。
同居していたトモさんが亡くなっていまい、途方に暮れていました。
パート生活をしているが、貯金はない・・・
このままだと孤独死してしまう・・・
そんな高齢女性のリアルが描かれていました。
孤独死・・・
最近、多いと聞きます。
なんだか、寂しいですよね・・・
一人で死んでしまうなんて、
死ぬ時は誰かに看取って欲しいです。
でも、そう上手くはいかないのが現状なのかも知れません。
私が高齢者になったときは、どうなっているのでしょうか?
あまり想像したくありませんね・・・
この作品のタイトルは少し物騒ですが、内容は全然物騒じゃありません。
ハートフルな話となっていました。
なので、安心して読んでみてくださいね!
高齢者独特の悩みも鮮明に表現されていましたので、色々と考えるきっかけにもなると思います。
高齢者のリアルな悩みを除いてみませんか?
② 刑務所に入りたい主人公
主人公の一橋桐子さんは、孤独な高齢女性です。
孤独死して迷惑をかけたくないという理由から、刑務所に入りたいと思うようになりました。
なんだか、この設定も斬新ですよね。
他の作品にはない、設定だと思います。
高齢女性が刑務所に入りたいなんて・・・
3食食べれるし、無料だしという理由から、入りたいんですかね?
確かに衣食住には困らないと思います。
でも、だからと言って刑務所に入るのは・・・
と思いますが、私も生活に困窮したらそのように感じるのかも知れませんね。
老後について、深く深く考えさせられた作品でした。
③ 犯罪を模索する日々
刑務所に入りたい主人公。
どのようにして刑務所に入るか考えます。
主人公はできるだけ長く入れる方法を探ります。
詐欺、誘拐、殺人などなど・・・
どの方法が最適かすごくすごく考えます。
そして、実行に移そうとしても、なかなか上手くいかない・・・
真面目に生きてきた主人公の背景が想像できます。
悪いことって、いざやろうとしてもできないもんですよね。
あっ、私は悪いことしようと考えたことないですよ!
例えばの話です・・・
なかなか上手くいかない主人公にも注目して欲しいです。
考え方は少し変わっていますが、普通のおばあちゃんなんだなと思うはずです。
そこがリアルですよね。
そんな人も身近にいるかも知れませんね。
悪いことはしてほしくないです!
④ 果たして、刑務所に入れるのか?
主人公は無事?刑務所に入ることができるのか?
それとも、入らないのか・・・
ここにも注目してみてください!
読んだ後の後味は悪くないので、安心してくださいね。
とてもハートフルな内容となっていました。
心あったまること間違いなし!
怖がらずに、読んでみてくださいね!
【まとめ】
今回は、原田ひ香さんの『一橋桐子(76)の犯罪日記』を読んでみました。
主人公が、刑務所に入りたいおばあちゃんという斬新な設定。
でも、ハートフルな作品なんです。
そこが驚きですよね!
読んだ後は、心温まること間違いなし!
ぜひ、読んでみてくださいね!
みんなのレビュー
皆さんのレビューも紹介しますね!
星5
・ドラマにもなってちょっとコメディ調だったが、原作はもうちょっと真面目で真剣なのが良かった。年配の女性の一人暮らしがいかに切羽詰まるものか、重くなく描いているところが良い。
・感動することや、悲しいこともあるとても感情的な小説です!
・わくわくしながら読めました。楽しく明るい気持ちになれました。
星4
・ドラマ化されたのを見て、興味を持ち、購入して読みました。
ドラマで桐子を演じている松坂慶子さんに重ね合わせて読み進めると、桐子は特段何も持っていないというのではなく、清貧という言葉が相応しい。
最終章、一気に展開していくのは、いささか出来過ぎなストーリーですが、桐子さんの人となりによって、期待感の持てる結末をむかえられて、爽やかな読後感を覚えました。
・ドラマは未視聴ですが、高齢者と犯罪という重いテーマかと思い手に取りました。結果は鮮やかに裏切られ、爽やかな読後で終わります。同居していた友人の死で世を儚んだ桐子さんが罪を犯して刑務所に入ろうとするのですが、「品の良さそうな」と周りからは思われるような方ですから、全てがどことなくユーモアに満ちていて安心して読めます。
所々、認知症の隣人や孤独な老人など今の世情を感じさせますが、老後、なんとかなるのかもと楽天的な気持ちにさせられました。
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