【レビュー/評価】『キリン』山田悠介の感想(ネタバレなし)
⚪︎ブログ運営者kimkim紹介
読書家:1日1冊以上読書しています!
元々は読書大嫌い
本のジャンルを問わずレビューしてます。
○リアルな物語が好きな人
○近未来の設定が好きな人
今回は、山田悠介さんの『キリン』を読んでいこうと思います!
キリン・・・
動物のキリンしか想像できません・・・
どんな物語が待っているのでしょうか?
気になるので、早速読んでみたいと思います!
【あらすじ】
天才精子バンクで生まれた兄弟――
兄は天才数学者への道を歩むが、弟は母親からも見放されてしまう。
「失敗作」の烙印を押された弟は孤島の施設に入れられてもなお、なんとか家族の絆を取り戻そうとするが…。
【私的満足度】
読みやすさ ★★★★★
表 現 度 ★★★★★
おもしろ度 ★★★★★
総合満足度 ★★★★★
【感想】
めちゃくちゃリアルな設定でした・・・
狂う母親の表現もよくできていました・・・
それでは、私が感じたことを少し書いていこうと思います。
① 精子オークション
この物語の舞台では、優秀な人材の精子がとある企業によって、オークションにかけられます。
優秀な精子を求めて、女性たちがオークション会場に現れます。
主人公の母親もその一人・・・
優秀な精子を求めて、オークションに挑み、高価で優秀な精子を手に入れます。
最初に生まれたのが、主人公の兄の秀才です。
秀才を産んだのち、母はまたオークションに挑み、精子を手に入れます。
そこで生まれたのが、主人公の麒麟です。
精子のオークションという設定はなんだかリアルだと思います。
都市伝説的な話で、そういうものがあっても不思議じゃないかも・・・
そして、現実世界で行われていてもおかしくない話だと思います。
もしかしたら、もう行われているかも・・・
また、背景設定がとにかくリアルでした。
だから、物語にのめり込めたのかもしれませんね!
リアルな物語が好きな人には、おすすめできる作品となっていました。
② 母の狂気
精子バンクから生まれた主人公の麒麟と兄の秀才。
母は彼らに期待を込めて、育てます。
教育にたくさんお金をかけ、英才教育を受けさせます。
兄は学問で天才的な才能を発揮します。
しかし、主人公の麒麟は中学校の問題を解くことができません。
兄は「成功作」、弟の麒麟は「失敗作」としてのレッテルを貼られます。
そこから、母の狂気が始まります。
兄は可愛がられ、麒麟は虐待を受け始めます。
とんでもない虐待が始まります。
とても可哀想になります・・・
それにしても、母の狂気がよく表現されていました。
山田さんは本当に人の狂気を描くのが上手いと思います。
今作でもしっかりと狂気が描かれていました。
劣等感に駆られた母の狂気というかなんというか・・・
悍ましいくらいに恐ろしかったです・・・
皆さんにもこの狂気に触れてほしいです!
人間の狂気の虜になること間違いなし!?
③ 孤島の施設
「失敗作」のレッテルを貼られた主人公の麒麟は、とある孤島に送られてしまいます。
そこは、精子バンクを運営している企業が作った天才を養成する施設です。
麒麟は20歳までこの施設で過ごすことになります。
そこでは、同じような境遇の子供達と出逢います。
彼らと共に、施設での生活をします。
また、母と兄と楽しい暮らしができることを祈りながら・・・
それにしても、麒麟は健気・・・
あんなに虐待された母とまた暮らしたいなんて・・・
とにかく、麒麟は施設で頑張ります。
頑張れば母ともう一度暮らせると信じて、ひたすら頑張ります。
なんだか、健気すぎて涙が流れてきそうでした・・・
純粋って彼のことをいうのかもしれません。
麒麟には幸せになってほしい・・・
そう切に思いました。
④ 待ち受ける結末とは?
家族とまた暮らせることを夢見て、施設で暮らす麒麟・・・
麒麟にとある転機が訪れます。
ネタバレになるので、あまり書くことができませんが、麒麟の人生を大きく変える転機です。
麒麟はその転機を活かして、また家族と暮らすことができるのか?
それとも・・・
また、麒麟が持っていた天才的な才能とは?
そして、彼らに待ち受ける衝撃の展開・・・
どれも、面白かったので、ぜひ実際に読んで確かめてみてほしいです!
驚きで、読む手が止まらなくなること間違いなし!
【まとめ】
今回は、山田悠介さんの『キリン』を読んでみました。
リアルな世界観のこの作品。
主人公の葛藤や母の狂気がよく表現されていました。
そして、待ち受ける衝撃の展開とは?
衝撃の展開が好きな人は、ぜひこの作品を読んでみてくださいね!
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