【レビュー/評価】『朝が来る』辻村深月の感想(ネタバレなし)
引用:Amazon商品ページ
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読書家:1日1冊以上読書しています!
元々は読書大嫌い
本のジャンルを問わずレビューしてます。
○ハートフルな話が好きな人
○重い話が好きな人
今回は、辻村深月さんの『朝が来る』を読んでいこうと思います。
映画化もされているこの作品。
どんな物語が待っているのでしょうか?
気になるので、早速読んでいこうと思います!
【あらすじ】
長く辛い不妊治療の末、栗原清和・佐都子夫婦は、民間団体の仲介で男の子を授かる。
朝斗と名づけた我が子はやがて幼稚園に通うまでに成長し、家族は平穏な日々を過ごしていた。
そんなある日、夫妻のもとに電話が。
それは、息子となった朝斗を「返してほしい」というものだった――。
自分たちの子供を産めずに、特別養子縁組という手段を選んだ夫婦。
中学生で妊娠し、断腸の思いで子供を手放すことになった幼い母。
それぞれの葛藤、人生を丹念に描いた、胸に迫る長編。
引用:Amazon商品ページ
【私的満足度】
読みやすさ ★★★★★
表 現 度 ★★★★★
おもしろ度 ★★★★★
総合満足度 ★★★★★
【感想】
結構重い話でしたが、とても面白かったです。
ハートフルな話でもあってので、安心しました。
それでは、私が感じたことを少し書いていこうと思います。
① 養子縁組の親子
この物語の主人公夫婦は、不妊治療の末、民間団体の仲介で男の子を授かりました。
その子を朝斗と名付け、育てていくことにしました。
朝斗はすくすくと成長し、幼稚園に通うまでに成長しました。
そして、平穏な日々を過ごしていきます。
養子縁組で手に入れた親子関係。
主人公夫婦は養子縁組であることを包み隠さず周囲に話します。
これも覚悟がいることだと思いました。
養子縁組について、偏見やよくない印象を持っている人がいます。
それでも、気にせず養子縁組を公表します。
めちゃくちゃ素晴らしいと思いました!
これは私の考えですが、親子関係に血のつながりは関係ないと思います。
胸を張って生きている主人公夫婦に感動しました。
素敵な親子関係を垣間見ることができました!
② 突然現れる生みの親
幸せな日々を過ごしていた主人公夫婦。
そんなある日、夫婦のもとに電話がかかってきます。
「息子を返してほしい・・・」
それは朝斗の生みの親からの電話でした。
「返してくれないのならば、現金を要求する」
そんな要求もしてきました。
なんて、身勝手な母親だと思いました。
自分で息子を捨てておいて、突然返せなんて・・・
身勝手にも程があると思います。
怒りも沸々と湧いてきました。
でも、ふと考えました。
もしかしたら、「この母親にも何か事情があるのではないか?」と・・・
その段階では、生みの親の過去が語られていなかったので、ひたすら怒りが湧いてきました。
でも、のちに生みの親の過去を知ってからは、見方が変わりました。
とても悲しい運命だったんだと・・・
すごく切なくなりました。
そんな思いもさせてくれるこの作品。
悲しさと切なさが心に深く突き刺さりました。
③ 夫婦の葛藤
この物語は、主人公夫婦の葛藤がよく描かれていました。
夫婦の物語は不妊治療から始まります。
夫の無精子症が発覚しました。
そこから夫婦は不妊治療を始めます。
しかし、なかなかうまくいきません・・・
不妊治療を続けるのか、それとも辞めるのか・・・
その葛藤がよく描かれていました。
お互いに寄り添う夫婦。
その様子も素敵に描かれていました。
治療を続けるかどうかを判断するのは、簡単ではありません。
相当な葛藤があったと思います。
その葛藤がひしひしと伝わってきました。
私が同じ立場だったら、どうするだろうか・・・
やっぱり、2人で話し合って決めると思います。
なるべく、配偶者の考えを尊重してあげたいです。
もちろん、自分の考えも大切ですけどね。
そんな、不妊治療について考えさせられた作品でした。
④ 生みの親の過去
また、この物語には、生みの親の過去も描かれていました。
幼くして妊娠してしまった生みの親。
それからの彼女の人生は、辛いものとなってしまいました。
親には罵声を浴びせられ、家出をして働いてもうまくいかない・・・
そして、トラブルにも巻き込まれる。
何をやってもうまくいきません。
可哀想なくらい悲惨な人生でした。
そんな中、とあることがきっかけで、養子に出した息子の住所を知ります。
そして、息子を返すように、主人公夫婦に迫ります。
果たして、本当に息子を返してほしいのか?
いきなり連絡をとってきた、生みの親の真の目的とは?
彼女の過去編では、それらが解き明かされます。
悲しくも切ない生みの親の物語に、引き込まれること間違いなしです。
【まとめ】
今回は、辻村深月さんの「朝が来る」を読んでみました。
不妊治療と養子縁組がテーマのこの作品。
主人公夫婦や生みの親の葛藤がよく描かれていました。
そして、ハートフルさもありました。
少し重い内容となっていましたが、読む手が止まりませんでした。
設定、各人の葛藤などがリアルに描かれていましたので、ぜひ読んでみてくださいね!
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