『蒸気機関車に竜を乗せて』書評|異色の冒険ファンタジーに乗車せよ!

引用:Amazon商品ページ

 

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 読書家:1日1冊以上読書、累計1000冊以上読了、元々は読書大嫌い

 小説やビジネス書、エッセイなど幅広いジャンルを扱い、読書の魅力を発信しています。

 皆さんが気になる本を見つけられるよう、詳細に書評をします。

 

 
こんな人におすすめ!
○ファンタジー好きな人
○ピーター・ポール&マリーの楽曲『パフ』が好き

ファンタジー感が漂う素敵な表紙の今作。

読み終えた今は「こんな素敵な物語を見逃さなくてよかった!」って心の底から思ってます。

いわゆる異世界ものでもなく、剣と魔法でもない。なのに、しっかりファンタジーしてて、しかも泣けるんです。

産業革命後の世界とファンタジーの融合って正直どうなの?って疑ってた自分、めちゃ反省中です。

今回はそんな『蒸気機関車に竜を乗せて』の魅力を、語り尽くしたいと思います!

ファンタジー初心者も、感動ストーリー好きも、これは読んで損なしですよ!

 


『蒸気機関車に竜を乗せて』とは何か

 

作品の基本情報と著者紹介

この作品を書いたのは黒崎江治さん。

ファンタジー界隈では珍しく、文学性とエンタメ性が絶妙にバランス取れていて、「読みやすいのに深い」って感じが最高なんですよね。

ちなみに装丁もめちゃくちゃ美しいです!竜が描かれたカバーイラスト、ずっと眺めてられます…。

 


ジャンルや世界観の特徴

 

ジャンルは一応「ファンタジー」なんですが、ぶっちゃけ一言で説明するのが難しい!

というのも、産業革命後の世界観に、竜という神話的存在を乗せた冒険譚だからなんです。

歯車がギシギシと動く機械仕掛けの世界に、空を舞う竜の存在が加わることで、すごく幻想的なんだけど、どこか懐かしいような世界が広がっています。

文明と神秘の共存。これってなかなか珍しいタイプのファンタジーで、新鮮さが半端ないです!

 


どんな人におすすめか

 

正直、ファンタジーに苦手意識ある人にも読んでみてほしいです。

というのも、戦闘や魔法の派手さよりも、「人と竜との関係」や「少女の成長」がメインなので、感情移入しやすいんですよね。

・キャラクター重視の物語が好き

・旅やロードムービーっぽい話に弱い

・癒されたいけど、ちょっと泣ける話も欲しい

・ピーター・ポール&マリーの楽曲『パフ』が好き

そんな方にドンピシャです。あと、竜好きは絶対読むべし!

 


物語のあらすじをざっくり紹介

 

舞台と時代背景の説明

 

物語の舞台は産業革命後の架空の世界。

ちょうど産業革命後のヨーロッパみたいな雰囲気で、蒸気機関が街を動かし、人々の生活を支えています。

そんな中で、ある女性が2体の竜と出会う展開から物語がスタートします。

 


大まかなストーリー展開

 

産業革命を経て蒸気機関車が走るようになった王国。取材旅行で田舎の漁村を訪れた若きジャックラインは、そこで双子の竜と出会う。四百年ぶりに目覚めた二匹には、かつてジャッキーという大切な友人がいた。遠い昔に別れた彼の足跡を辿るため、ジャックラインと竜たちは蒸気機関に乗り、風変りな旅をはじめる。四百年の長きに渡って秘されてきた、歴史の真実へと至る旅を。

 


読んで感じた魅力と感想

 

とある少女と竜の温かな物語

 

一番印象的だったのは、やっぱりジャックラインと2匹の竜の心の距離が近づいていく過程です。

ジャックライン自身も、彼らに対して最初は不信感や戸惑いを抱いていたんですよね。

でも、それが次第に変わっていくんです。

 

それにしても、竜ってもっと野性的で、粗暴な生き物ってイメージがありませんか?

私も読む前は、「きっと暴れたり火を吐いたりするんだろうな」なんて思ってました。

でも違ったんです。むしろ、竜の方がよっぽど繊細で、優しかった

感情を爆発させるんじゃなく、静かに、でも確かに寄り添い合うその姿に、心が洗われるような気持ちになります。

 

逆に、人間の方がよっぽど残酷だったりする。

「文明」とか「理性」とかを掲げておきながら、

結局は自分たちが怖がっているものを、理解する努力もせずに遠ざけてるだけなんじゃないかって、問いかけられている気がしました。

読みながらずっと、「信じること」「違う存在とどう向き合うか」ってテーマが心に残っていて。

だからこそ、ジャックラインと竜たちが、少しずつお互いに歩み寄っていく姿が、ものすごく感動的だったんです。

 


ファンタジーとしての深み

 

単に「竜と旅する」だけの話じゃないのが、この作品のすごいところなんです。

確かに物語の表面は、少女と竜が列車に乗ってさまざまな街を巡る、ちょっと変わった旅物語。

でも、その裏には、もっと深くて切実なテーマがしっかりと根を張っているんです。

 

ジャックラインは竜に対して恐れも偏見もなく、ただ「一緒に旅をしたい」「もっと知りたい」と思って行動します。

その無垢な関係性が、逆に「私たちはいつの間に、他者を“カテゴリ”で見るようになったんだろう?」という問いを浮かび上がらせる。

これ、めちゃくちゃ深いですよ…。

 

そして何より素晴らしいのは、こういったテーマ性を感動的なストーリーの中に自然と溶け込ませている点

気づけば胸が熱くなっていて、ラストでふと「これは私たちの現実にも通じている話だったんだ」と腑に落ちるんです。

まさに、「考えるファンタジー」。

読み終えたあと、心に小さな問いが灯るような、そんな作品になっています。

 


読後に残る余韻とメッセージ

 

ラストは…もう、語彙力が飛びました。

静かだけど圧倒的。派手な展開がない分、じんわりと胸に沁みてくる余韻が残ります。

「違う存在とどう向き合うか」

「本当に大切なものってなんだろう」

そんな問いをそっと手渡される感じがして、読後もしばらく物思いにふけってました。

正直、また最初から読み返したいくらいです。

 


まとめ|この本を読むべき理由

 

こんな読者に刺さる作品

・ファンタジーだけど地に足ついた話が好き

・人と人(竜)との心の交流に弱い

・世界観に没頭したいタイプ

・ピーター・ポール&マリーの楽曲『パフ』が好き

こんな方は絶対に刺さります!

むしろ、読まないと損かもしれません笑。

 

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