【レビュー/評価】『正欲』朝井 リョウの感想(ネタバレなし)

引用:Amazon商品ページ

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 元々は読書大嫌い

 本のジャンルを問わずレビューしてます。

正欲(新潮文庫)

 

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こんな人におすすめ!
○哲学が好きな人
○考えることが好きな人

 

 今回は朝井リョウさんの『正欲』を読んでいこうと思います!

 

先日、朝井さんの『何者』を読んでとても面白かったので、この本も読みたいと思いました。

 

タイトルだけでは、どんな物語か想像できませんね・・・

 

どんな物語が待ち受けているのでしょうか?

 

気になるので、早速読んでいきたいと思います!

 

【登場人物】

・寺井啓喜(てらい ひろき)

横浜地方検察庁に勤務する検事。小学校4年生で不登校状態の息子・泰希をもつ。泰希が友人とともにYouTubeで動画を投稿することに反対する。

・桐生夏月(きりゅう なつき)

岡山駅に直結するイオンモールにある、寝具店の販売員。中学校の同級生の披露宴で、佐々木佳道と再会する。

・神戸八重子(かんべ やえこ)

金沢八景大学に通う3年生。学祭実行委員で、「ダイバーシティフェス」を企画・運営する。

・佐々木佳道(ささき よしみち)

高良食品営業部商品開発課に勤務する会社員。夏月の中学校の同級生だが、3年生の途中で転校した。

・諸橋大也(もろはし だいや)

金沢八景大学に通う3年生で、ダンスサークル「スペード」に所属している。昨年の学祭のミスターコンテストで準ミスターに選ばれた。

引用:Wikipedia

 

【あらすじ】

自分が想像できる”多様性”だけ礼賛して、秩序整えた気になって、そりゃ気持ちいいよな――。

 

息子が不登校になった検事・啓喜。

 

初めての恋に気づく女子大生・八重子。

 

ひとつの秘密を抱える契約社員・夏月。

 

ある事故死をきっかけに、それぞれの人生が重なり始める。

 

だがその繫がりは、”多様性を尊重する時代"にとって、ひどく不都合なものだった。

 

引用:Amazon商品ページ

 

 

【私的満足度】

 

 読みやすさ ★★★★★

 表 現 度 ★★★★★

 おもしろ度 ★★★★★

 総合満足度 ★★★★★

 

【感想】

 

いろいろ考えさせられる作品でした!

 

まるで哲学書を読んでいるように・・・

 

そして、勉強になった!

 

それでは、私の感想を少し書いていこうと思います。

 

 

① 事件から始まるストーリー

 

この物語の冒頭には、ある事件が登場します。

 

それは、とある男性3人が逮捕される事件です。

 

この物語には、たくさんの主要人物が登場します。

 

その主要人物には、3人の容疑者のうち2人が含まれます。

 

なぜ彼らが逮捕されることになったのか?

 

その全貌が露わになっていきます。

 

その過程がよく表現されていたと思います。

 

人間の欲望や自身の性癖との葛藤などなど・・・

 

他の作品にはない内容となっていました。

 

他の作品にはない内容となっていたからこそ、いろいろと考えさせられました!

 

さまざまな性癖やそれに悩む人たちの心情・・・

 

普段考えないことばかりでした。

 

とてもいい経験になりました!

 

 

② 異なった視点からの物語

 

この物語には、さまざまな主要人物が登場します。

 

どの登場人物も個性豊かです。

 

息子が不登校になった検事・啓喜。

 

初めての恋に気づく女子大生・八重子。

 

ひとつの秘密を抱える契約社員・夏月。

 

などなど、、、

 

そして、彼らは彼らなりに自らと周りの「性癖」と向き合います。

 

その描写も鮮明でした!

 

自らとの葛藤、周りを理解しようとする過程などなど・・・

 

リアル!とてもリアルで物語に引き込まれました!

 

なぜ、人の葛藤って、私たちの興味を惹きつけるのでしょうね?

 

やっぱり、自分も日常生活の中で、葛藤する機会があるからなのかなぁ?

 

とかとか、いろいろと考えさせられることが多くありました。

 

リアルな話が好きな人には、もってこいの作品となっていました!

 

 

③ それぞれの性癖

 

この物語には、さまざまな性癖を持った人が登場します。

 

例えば、水飛沫などに興奮する人や女性の涙に興奮する人などなど・・・

 

いわゆる、アブノーマル?な性癖の人が登場します。

 

いろんな性癖があるのを知ることができました。

 

私自身は、アブノーマルな性癖はない?です。(たぶん笑)

 

なので、とても新鮮な気持ちで、この作品を読むことができました。

 

また、それぞれが性癖で悩んでいることも分かりました。

 

アブノーマル故の悩みなのでしょう。

 

その悩みに対する葛藤が、私を物語に引き込みました!

 

それにしても、葛藤がよく描かれていた作品だったように思います!

 

私も彼らのように葛藤できるようになりたいです!

 

 

④ 性の哲学書

 

先ほどから、散々言っていますが、この物語を読んだことで、さまざまなことを考えさせられました。

 

特に性や性癖について。

 

これほど考えさせられた作品は他にありません!

 

この作品は『性の哲学書』と言っても過言ではないと思います。

 

それほど深い作品だったように思います。

 

それにしても、斬新でした・・・

 

いろいろと考えることがクセになりそうです!

 

それもいいですよね!

 

そして、そこに答えがないのが、さらにいい!

 

まさに、哲学って感じがします。

 

朝井さんの他の作品も読みたくなってきた・・・

 

 

【まとめ】

 

今回は、朝井リョウさんの『正欲』を読んでみました。

 

登場人物の葛藤や考えが、非常に鮮明に描写されていました。

 

読む手が止まりませんでした・・・

 

また、この作品は、いろいろと考えさせられる哲学書のような作品でした。

 

皆さんもこの作品を読んで、自身と向き合ってみてください!

 

きっと、新たな発見や気づきがあるはずです!

 

 

みんなのレビュー

皆さんのレビューも紹介したいと思います!

星5

・重たいけど、現代の多くの人が読んだ方が良いと思える小説。価値観が変わる人は多いはず。
多様性を謳い、少数派の内の一部を見ただけで、少数派全部を理解した気になってる多数派。そんな人達を糾弾してたのが印象的。
(自分の身を守るために)他人を理解し支配したいというヒトの心理はわからなくはないけど、他人を、世界を理解できると思うなんておこがましい。まずはそこから

・「多様性を尊重しましょう」と昨今マスメディアでよく耳にしますが、今作を読んで本当に多様性を尊重したならば無秩序な世界になってしまうため、「多様性を尊重しましょう」(社会のルールに反するものは除く)だったんだなと気付かされました。
そして、マイノリティ(と言うのも憚れれますが)を尊重するためにはその人の話を聞くことや思いを馳せることが必要なのではないかと内省する機会にもなりました。
正しさ・欲望の価値観について深く考えさせていただいたこの作品に感謝申し上げます。

・考えても答えが出ない、結論を出さないことが正解で、触れないことが正しいのか欲について考えさせられる。読む前と後で何かが変わると思います。

 

星4

・ハッピーエンドが好きなので……この本は辛い。

・批評や感想を書くことをためらってしまう小説だと思った。本作の描く「多様性」を前にすると、どんな表現も、読み手によって意味が反転しうることを突きつけられるからだ。
神が人間を裁くことができない以上、人間が人間を裁くために、法律による線引きを行うことは可能なのだろうか?その線引きを行う正しい人間とは誰なのだろうか?
多様性とは結局のところ「マジでヤバい奴」を社会から抹消するための線引きではないのだろうか?
本作で答えは示されない。ただ、夏月と佳道、八重子と大也の美しい対話に示唆されているように思った

 

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朝井リュウさんとは?

朝井 リョウ(あさい りょう)は岐阜県出身の小説家。

・2009年、早稲田大学在学中に『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー、2012年には同作が映画化された。

・2013年、『何者』で第148回直木三十五賞受賞。直木賞史上初の平成生まれの受賞者であり、男性受賞者としては最年少となる

・2021年、『正欲』で柴田錬三郎賞受賞。

・大学在学中に作家デビューをしたが、卒業後は就職活動を行って会社員となり、2015年までは兼業作家であった。6作目の『何者』は初めて営業の新入社員として仕事をしながら、通勤前と帰宅後に執筆した。

・スタジオジブリの作品のファンである。直木賞を受賞後の初の作品『世界地図の下書き』では、数々のスタジオジブリ作品を通して活躍しているアニメーターの近藤勝也が表紙絵を担当した。

参考:Wikipedia

 

朝井リュウさんの他の作品

何者

何者(新潮文庫)

あらすじ

想像力が足りない人ほど、他人に想像力を求める。
就活対策のため、拓人は同居人の光太郎や留学帰りの瑞月、理香らと集まるようになるが――。衝撃のラストが襲いかかる戦後最年少の直木賞受賞作。
就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから――。瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆良を交えた5人は就活対策として集まるようになる。だが、SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする、本音や自意識が、彼らの関係を次第に変えて……。直木賞受賞作。

引用:Amazon商品ページ

『何者』の書評はこちら!

【読書マニアがレビュー/評価】『何者』朝井 リョウ の感想(ネタバレなし)

 

スター

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あらすじ

新人の登竜門となる映画祭でグランプリを受賞した尚吾と紘。二人は大学卒業後、名監督への弟子入りとYouTubeでの発信という真逆の道を選ぶ。受賞歴、再生回数、完成度、受け手の反応──プロとアマチュアの境界線なき今、世界を測る物差しを探る傑作長編。

引用:Amazon商品ページ

もういちど生まれる

もういちど生まれる

あらすじ

彼氏がいるのに、別の人にも好意を寄せられている汐梨。バイトを次々と替える翔多。絵を描きながら母を想う新。美人の姉が大嫌いな双子の妹・梢。才能に限界を感じながらもダンスを続ける遥。みんな、恥ずかしいプライドやこみ上げる焦りを抱えながら、一歩踏み出そうとしている。若者だけが感受できる世界の輝きに満ちた、爽快な青春小説。

引用:Amazon商品ページ

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